育苗箱ベンチレータ/熱計算2

前回、27℃の育苗箱内に15℃の外気を給気し、25℃に温度低下する為に必要な時間を計算しました。風量0.11m3/minの5Vファンで、必要時間は4秒という結果になりました。ちょっと計算が怪しいな、とは思いつつも、そのまま次に進みます。前回は空気の混合だけでしたが、今回は太陽光から受ける熱量を考慮に入れます。なお、空気は理想気体と仮定します。

・太陽光の影響を考慮

1.箱内空気の入れ替えと太陽熱受け入れを同時に考える

最初にトライしたのは、27℃になった育苗箱内空気を導入する外気と入れ替えながら太陽熱Qsを受け入れて、最終的に育苗箱内を25℃に合わせる方法です。体積関係は前回と変わりませんが、最終的な25℃の育苗箱内の熱量Qを、熱量が箱内空気の残りV1(m3)分のQ1と導入した15℃外気Vf(m3)分のQf、太陽光を受けた分のQsの和とするものです。

上の考え方で何度か計算を行いましたが、必要な外気導入時間tfが負になってみたり虚数がついたりして、全然ダメでした。式の立て方が間違ってるんでしょうね。うまく式で表現できませんでした。

2.空気の入れ替えと太陽光による温度上昇分の外気導入を分けて考える

空気入れ替えと太陽熱受け入れを同時に考えるのは難しかったため、これらを分離して計算することにしました。計算は以下の3段階に分かれます。

  1. 27℃の箱内に15℃外気Vf (m3)を導入し、25℃へ温度変化させる
  2. 太陽熱Qs (W)を受けて、25℃の育苗箱がdT℃上昇する
  3. 25+dT℃となった育苗箱に15℃外気Vf2 (m3)を導入し箱内を25℃へ温度変化させる

1.は前回の計算と全く同じですね。外気導入の必要時間が計算されます。1段階目の時間の間、新たに太陽熱Qsを受けて箱内温度が上昇します。この上昇分を再度25℃へ降下させるのに必要な外気導入時間を計算します。なので、必要な外気導入時間は、1段階目の時間と3段階目の時間の合計となります。

3段階目の追加時間分だけ太陽光を受けるので、その分箱内温度が上昇します。2,3を繰り返して収束するところまで計算します。発散する場合は計算中止です。

・太陽熱Qs

今回の計算で大事になるのが、太陽光から受ける熱量Qsをいくらで見積もるか、になります。少し調べてみると、太陽が発生する熱量を、日の当たる部分の地球の表面積で割って、単位面積当たりの熱量を計算し、そこからいろいろロス分を差っ引いて地上に届く熱量を計算する、というのが一般的なようでした。

ただ、この値をそのまま使うと、育苗箱が受け取る熱量が大きすぎて、計算結果は発散していくものでした。うーん、これは育苗箱の外壁から外気との熱交換がない、とする仮定に無理がありましたね。

もろもろのロス分を計算で積み上げていくにはデータが無さすぎるので、今回は実測値で行くことにします。

・日が当たっている時の温度上昇

上のグラフは、2025年1月17日の育苗箱内の温度トレンドです。この日、12時20分から13時50分くらいの間は、しっかり日が当たって育苗箱内の気温は直線的に上昇しています。給排気ファンの設定は25℃を超えて27℃到達で起動、温度が下がって25℃以下で停止です。なので、27℃をピークとしたギザギザのトレンドとなります。

温度上昇側の各ピークの25℃、27℃通過時間をまとめると以下の通り。

ピーク
No.
25℃通過
h:mm:ss
27℃到達
h:mm:ss

mm:ss

s
112:29:5912:32:582:58178
212:38:1412:40:552:42162
312:45:3312:48:012:29149
412:52:3212:54:512:19139
512:59:4313:02:092:26146
613:06:5313:09:352:42162
713:13:5713:16:262:29149
813:20:4113:22:512:10130
913:27:2913:29:392:10130
1013:34:1613:36:502:34154
1113:41:2113:44:202:58178

最も昇温時間の短かったピーク8、9の130s=2.17minを計算に使います。

育苗箱内の体積:V (m3)
育苗箱内の空気の重量:m (kg)
空気の密度:d (m3/kg)
空気の比熱:cp (J / kg・K)
期初の温度:T1 (℃)
期末の温度:T2 (℃)

とした場合、この期間で育苗箱内の空気が得た熱量Q (J)は、

$$Q \ = \ m \times c_{p} \times (T_{2} \ – \ T_{1})$$

ここで

$$m \ = \ V \times d$$

なので、

$$Q \ = \ V \times d \times c_{p} \times (T_{2} \ – \ T_{1})$$

ピーク8、9で計算すると、

T2 :27.0 ℃
T1 :25.0 ℃
V:0.037 m3
d:1.166 m3/kg
cp:1006 J / kg・K

であるので、

$$\begin{eqnarray}Q \ &=& \ 0.037 \times 1.166 \times 1006 \times (27.0 \ – \ 25.0) \\
&=& 86.8 \end{eqnarray}$$

温度上昇に要した時間は2.17min(130秒)である為、育苗箱が受け取った太陽熱Qs(J/min)は、

$$Qs \ = \frac{86.8}{2.17}\ = \ 40.0 \ (J/min) $$

太陽熱にしてはちょっと小さく見えますが、これは育苗箱が大気との接触で失う熱量を含んでいる為です。太陽熱から受け取る熱量と、空冷で失う熱量の差が40.0 J/minですね。

・育苗箱が大気との熱交換で失う熱量

一応、大気との熱交換で失う熱量を見積もってみます。下の例は、2025年1月上旬の日中、日が当たって箱内温度が上昇しますが、給排気ファンが起動する27℃に到達する前に日陰となって、箱内の熱を失った時(赤プロット)の温度トレンドです。

日陰となって直線的に温度低下している時に失う熱量を計算してみます。

時間計算式総熱量熱量
13:48:45 ~ 13:51:270.037 x 1.166 x 1006 x (25.3 – 23.4)82.5 J30.6 J/min
14:44:56 ~ 14:49:320.037 x 1.166 x 1006 x (25.7 – 22.0)160.6 J34.9 J/min
平均32.8 J/min

平均すると32.8 J/minでした。

上で計算した太陽熱から受け取る熱量は、ロス分を含んで41.9 J/minでした。ロス分を32.8 J/minとすると、本来受け取る太陽熱は40.0 + 32.8で72.8 J/minですね。

育苗箱の水平断面積が0.14m2であるので、520.0 J/min/m2、秒換算で8.7 J/s/m2、ワットに直して8.7 W/m2

んんん?8.7 W/m2
うーん、ちょっと小さいですね。
タイコーアーキテクトさんのサイトの情報によると、冬の日中、南側の窓が受ける太陽熱は平均で336 W/m2あるそうです。

日射量と熱エネルギー|太陽光を理解する | タイコーアーキテクト | 大阪のSE構法とパッシブデザインの注文住宅

反射やその他ロス分が結構大きいのかな。まあいろいろロス分を差っ引いて、育苗箱が受ける太陽熱は40.0 J/minで計算を続けます。

 

ステップ1
27℃の箱内に15℃外気Vf (m3)を導入し、25℃へ温度変化させる

ちょっと脱線しましたが、それでは計算を進めていきましょう。ステップ1は前回計算した結果そのままです。

育苗箱ベンチレータ/Deep Sleep復帰時間、熱計算1 – しろすけ技術研究所

ちょっと怪しいですが、27℃の箱内空気を25℃まで温度低下させるのに必要な15℃外気導入時間は、0.067minでした。

ステップ2
太陽熱Qs (J)を受けて、25℃の育苗箱がdT℃上昇する

上記の実測値より、太陽光より育苗箱が受ける熱量は40.0 J/minでした。ステップ1で算出された必要時間は0.067minであったため、その間に受ける熱量Qsは、

$$Qs \ = \ 40.0 \times 0.067 \ = \ 2.68 \ (J)$$

このQsを受けて、育苗箱の温度がdTだけ変化する場合、

$$Qs \ = \ V \times \ d \times cp \times dT$$

これを変形して、

$$dT \ = \ \frac{Qs}{V \times d \times c_{p}}$$

ここで、

V:0.037 m3
d:1.166 m3/kg
cp:1006 J / kg・K

であるので、

$$\begin{eqnarray} dT \ &=& \ \frac{2.68}{0.037 \times 1.166 \times 1006} \\
\\
&=& \ 0.062 \ (K)\end{eqnarray}$$

0.067min間に太陽光より熱を受け取り、育苗箱内は0.062K(=℃)温度上昇することになります。

ステップ3
25+dT℃となった育苗箱に15℃外気Vf2 (m3)を導入し箱内を25℃へ温度変化させる

ステップ3の計算から、dTは0.062℃でした。1サイクルで十分収束していますが、一応計算しておきます。状況は外気との置換だけで温度変化させるのと同じなので、前回と同様に誘導していきます。

25+dT℃となった育苗箱V m3に、15℃外気Vf2 m3を給気、箱内空気はVf2 m3押し出されて、残りV2 m3となります。箱内は25+dT℃の箱内空気V2 m3と給気した15℃外気Vf2 m3が存在することになるので、

$$V \ = \ V_{2} \ + \ V_{f2}$$

変形して

$$V_{2} \ = \ V \ – \ V_{f2} \qquad(1)$$

箱内空気と給気した外気が混合することで、箱内空気V2が失う熱量と給気した外気Vf2が得る熱量は同じであるため、空気の比重をd、比熱をcpとすると、

$$V_{2} \times d \times c_{p} \times (25 \ + \ dT \ – \ 25)\ = \ V_{f2} \times d \times c_{p} \times (25 \ – \ 15)$$

整理すると、

$$V_{2}dT \ = \ 10V_{f2}$$

式(1)のV2を代入すると、

$$(V \ – \ V_{f2})dT \ = \ 10V_{f2}$$

整理すると、

$$V_{f2} \ = \ \frac{VdT}{10 \ + \ dT} \qquad(2)$$

次に、前回同様箱外へ押し出される空気について考えます。押し出される空気量は給気される外気量と同じなので、Vf2となります。押し出される空気の組成は、最終的に

$$ 箱内空気 : 外気 = V_{2}: V_{f2} $$

となります。押し出される空気(Vf2)中の箱内空気の体積をV2‘、外気の体積をVf2‘とすると、

$$ V_{f2} = V_{2}’ + V_{f2}’ \qquad (3) $$

V2‘、Vf2‘は組成からそれぞれ、

$$ V_{2}’ = \cfrac{V_{1}}{V_{2} + V_{f2}} \times V_{f2} \qquad(4) $$

$$ V_{f2}’ = \cfrac{V_{f2}}{V_{2} + V_{f2}} \times V_{f2} \qquad(5) $$

となります。

ところで、給気される外気量=押し出される空気量、であるので、給気の風量をf(m3/min)、給気する時間をtとすると、

$$ V_{f2} = f \times t$$

これを押し出される箱内空気の体積を表現する式(4)へ代入すると、

$$ V_{2}’ = \cfrac{V_{2}}{V_{2} + V_{f2}} \times f \times t \qquad(6) $$

追い出される箱内空気の体積がVf2に到達するまでの時間は、式(6)のV2‘がVf2となる時間です。その時間をtf2とすると、式(6)は

$$ V_{f2} = \cfrac{V_{2}}{V_{2} + V_{f2}} \times f \times t_{f2} $$

ここに式(1)のV2を代入すると、

$$ V_{f2} = \cfrac{ V \ – \ V_{f2}}{ V \ – \ V_{f2} + V_{f2}} \times f \times t_{f2} \qquad(7) $$

整理すると、

$$t_{f2} \ = \cfrac{VV_{f2}}{V \ – \ V_{f2}} \times \frac{1}{f} \qquad(8) $$

ここに式(2)のVf2を代入すると、

$$t_{f2} \ = \ \cfrac{\cfrac{V^{2}dT}{10 \ + \ dT}}{V \ – \ \cfrac{VdT}{10 \ + \ dT}} \times \cfrac{1}{f}$$

変形して、

$$t_{f2} \ = \ \cfrac{\cfrac{V^{2}dT}{10 \ + \ dT}}{ \cfrac{10V \ + \ VdT \ – \ VdT}{10 \ + \ dT}} \times \cfrac{1}{f}$$

整理すると、

$$t_{f2} \ = \ \cfrac{VdT}{10} \times \cfrac{1}{f} \qquad(9)$$

ここでVは育苗箱の体積(0.037 m3)、fは給気ファンの風量(0.11 m3/min)、dTはステップ2の計算から0.062℃であるため、これらを代入すると、

$$\begin{eqnarray}t_{f2} \ &=& \ \cfrac{0.037 \times 0.062}{10} \times \cfrac{1}{0.11} \\
& & \\
&=& \ 0.0021 \end{eqnarray}$$

ステップ1の外気導入時間0.067min > tf2 0.0021minであるため、計算は収束方向。また、tf2も秒換算で0.13秒と実用上十分に短いことから、計算は2サイクルで収束したとしましょう。

 

・エネルギー保存則から

上の計算結果はちょっと値が小さい気がするので、考え方は同じですが違う計算方法で試してみます。

最初の27℃の育苗箱内に15℃の外気Vfを給気した後=25℃となった後、太陽熱Qsを受けるので、25℃の育苗箱内空気の内部エネルギーをU、27℃の箱内空気の残り(V2)の内部エネルギーをUv2、給気した15℃外気Vfの内部エネルギーをUf2とすると、内部エネルギーの和は下のように表現できます。この温度範囲では育苗箱の膨張は無視できるとすると、育苗箱は外部からエネルギーを得ても仕事をしないので、全量が内部エネルギーの上昇に使われます。

$$U \ + \ Q_{s} \ = \ U_{v2} \ + \ U_{f2} \qquad(10)$$

空気を二原子分子とすると、U、Uv2、Uf2はそれぞれの分子量をn、nv2、nf2として

$$U \ = \ \cfrac{5}{2}nRT_{0} $$

$$U_{v2} \ = \ \cfrac{5}{2}n_{v2}RT_{1}$$

$$U_{f2} \ = \ \cfrac{5}{2}n_{f2}RT_{f}$$

なお、前回と同じく、V、V2、Vf2は以下の関係にあり、

$$V \ = \ V_{2} \ + \ V_{f2}$$

変形して、

$$V_{2} \ = \ V \ – \ V_{f2} \qquad(11)$$

です。

ここで、

n:育苗箱内空気の分子数(mol)
nv2:育苗箱内27℃空気V1の分子数(mol)
nf2:育苗箱内に給気した外気Vfの分子数(mol)
R:気体定数(8.31 J / K・mol)
T0:混合後育苗箱内の気温(25℃ → 25 + 273.15 K)
T1:混合前育苗箱内の気温(27℃ → 27 + 273.15 K)
Tf:外気温度(15℃ → 15 + 273.15 K)

U、Uv2、Uf2を式(7)へ代入すると、

$$\cfrac{5}{2}nRT_{0} \ + \ Q_{s} \ = \cfrac{5}{2}n_{v2}RT_{1} \ + \ \cfrac{5}{2}n_{f2}RT_{f} \qquad(12)$$

ここで、空気の重量をwair、空気の平均分子量をmairとすると、

$$n \ = \ \cfrac{w_{air}}{m_{air}}$$

また、空気の重量wairは、比重をd、体積をVとすると、

$$w_{air} \ = \ d \times V$$

であるので、n、nv2、nf2はそれぞれの体積をV、V2、Vf2として、

$$n \ = \ \cfrac{dV}{m_{air}}$$

$$n_{v2} \ = \ \cfrac{dV_{2}}{m_{air}}$$

$$n_{f2} \ = \ \cfrac{dV_{f2}}{m_{air}}$$

これらを式(12)へ代入すると、

$$\cfrac{5}{2}\cfrac{dV}{m_{air}}RT_{0} \ + \ Q_{s} \ = \cfrac{5}{2}\cfrac{dV_{2}}{m_{air}}RT_{1} \ + \ \cfrac{5}{2}\cfrac{dV_{f2}}{m_{air}}RT_{f} \qquad(13)$$

ところで、太陽熱Qsは、単位時間当たりの熱量qとエネルギーを受けた時間tf2の積と考えることができるので、

$$Q_{s} \ = \ q \times t_{f2}$$

これを式(11)に代入すると、

$$\cfrac{5}{2}\cfrac{dV}{m_{air}}RT_{0} \ + \ qt_{f2} \ = \cfrac{5}{2}\cfrac{dV_{2}}{m_{air}}RT_{1} \ + \ \cfrac{5}{2}\cfrac{dV_{f2}}{m_{air}}RT_{f}$$

これを整理すると、

$$VT_{0} \ + \ \cfrac{2m_{air}q}{5dR}t_{f2} \ = \ V_{2}T_{1} \ + \ V_{f2}T_{f} \qquad(14)$$

ここで “2mairq/5dR” は定数であるので、Aと置きます。

$$A \ = \ \cfrac{2m_{air}q}{5dR}$$

式(14)は、

$$VT_{0} \ + \ At_{f} \ = \ V_{2}T_{1} \ + \ V_{f2}T_{f2} \qquad(15)$$

となります。ここに式(11)より、V2を代入すると、

$$VT_{0} \ + \ At_{f2} \ = \ (V \ – \ V_{f2})T_{1} \ + \ V_{f2}T_{f}$$

これを整理すると、

$$V_{f2} \ = \ \cfrac{T_{1} \ – \ T_{0}}{T_{1} \ – \ T_{f}}V \ – \ \cfrac{A}{T_{1} \ – \ T_{f}}t_{f2}$$

ここで、

T0:混合後育苗箱内の気温(25℃ = 25 + 273.15 K)
T1:混合前育苗箱内の気温(27℃ = 27 + 273.15 K)
Tf:外気温度(15℃ = 15 + 273.15 K)

これらを代入すると、

$$V_{f2} \ = \ \cfrac{2}{12}V \ – \ \cfrac{A}{12}t_{f2}$$

約分して、

$$V_{f2} \ = \ \cfrac{1}{6}V \ – \ \cfrac{A}{12}t_{f2} \qquad(16)$$

ところで、空気入れ替えの検討からtf2は式(7)の様に、VとVf2、fを用いて表すことが出来ます。

$$ V_{f2} = \cfrac{ V \ – \ V_{f2}}{ V \ – \ V_{f2} + V_{f2}} \times f \times t_{f2} \qquad(7) $$

式(7)に式(16)のVf2を代入すると、

$$ \cfrac{1}{6}V \ – \ \cfrac{A}{12}t_{f2} \ = \cfrac{ V \ – \ \cfrac{1}{6}V \ – \ \cfrac{A}{12}t_{f2}}{ V } \times f \times t_{f2}$$

順次整理していくと、

$$ \cfrac{1}{6}V \ – \ \cfrac{A}{12}t_{f2} \ = \cfrac{\cfrac{5}{6}V \ – \ \cfrac{A}{12}t_{f2}}{V} \times ft_{f2}$$

$$ \cfrac{1}{6}V^{2} \ – \ \cfrac{AV}{12}t_{f2} \ = \cfrac{5}{6}V ft_{f2} \ – \ \cfrac{A}{12}f(t_{f2})^{2}$$

$$ 2V^{2} \ – \ AVt_{f2} \ = 10V ft_{f2} \ – \ Af(t_{f2})^{2}$$

$$Af(t_{f2})^{2} \ + \ 2V^{2} \ – \ 10V ft_{f2}\ – \ AVt_{f2} \ = \ 0$$

$$Af(t_{f2})^{2} \ – \ (10V ft_{f2}\ + \ AVt_{f2}) \ + \ 2V^{2}= \ 0$$

$$Af(t_{f2})^{2} \ – \ (10Vf\ + \ AV)t_{f2} \ + \ 2V^{2}= \ 0 \qquad(17)$$

tf2を変数とする二次方程式に誘導することが出来ました(式(17))。
二次方程式の解の公式を用いて解きますが、式が煩雑になるので、定数を先に入れておきます。

mair:28.8 ・・・空気の平均分子量
d:1.166 kg/m3 ・・・20℃の空気の比重
q:40.0 J/min ・・・育苗箱での実測値(熱ロスを含む)
R:8.31 J/mol・K ・・・理想気体の気体定数

$$\begin{eqnarray}A \ &=& \ \cfrac{2m_{air}q}{5dR}\\
&=& \ \cfrac{2 \times 28.8 \times 40.0}{5 \times 1.166 \times 8.31}\\
&=& 47.6\end{eqnarray}$$

f:0.11 m3/min ・・・給気ファンの風量。スペック記載値4.07cfmより換算。
V:0.037 m3 ・・・育苗箱体積。実測値。

$$Af \ = \ 47.6 \times 0.11 \ = \ 5.24$$

$$10Vf\ + \ AV \ = \ 10 \times 0.037 \times 0.11 \ + \ 47.6 \times 0.037 \ = \ 1.80 $$

$$2V^{2} \ = \ 2 \times (0.037)^{2} \ = \ 0.0027$$

これらの定数を式(17)に代入すると、

$$5.24(t_{f2})^{2} \ – \ 1.80t_{f2} \ + \ 0.0027 = \ 0 \qquad(18)$$

ところで、二次方程式の解の公式は、二次方程式を

$$ax^{2} \ + \ bx \ + \ c \ = \ 0$$

とした時、

$$x \ = \ \cfrac{-b \ \pm \ \sqrt{b^2 \ – \ 4ac}}{2a}$$

であるので、式(18)の解を、解の公式を用いて求めると、一つ目の解は、

$$\begin{eqnarray}t_{f2} &=& \ \cfrac{-(-1.80) \ + \ \sqrt{(-1.80)^2 \ – \ 4 \times 5.24 \times 0.0027}}{2 \times 5.24}\\
&=& 0.34 \end{eqnarray}$$

二つ目の解は、

$$\begin{eqnarray}t_{f2} &=& \ \cfrac{-(-1.80) \ – \ \sqrt{(-1.80)^2 \ – \ 4 \times 5.24 \times 0.0027}}{2 \times 5.24}\\
&=& 0.0016 \end{eqnarray}$$

太陽光から受けるエネルギーの全量が育苗箱内の内部エネルギー上昇に使われたとすると、必要な15℃外気供給時間は0.34min、又は0.0016min、秒に直すと20.4秒か0.1秒です。0.1秒ではあまりにも早すぎて現実的な時間ではないため、0.34min(20.4秒)が適切な解かな。

結論

育苗箱内気温の太陽熱による温度上昇分を排熱する為の時間を計算しました。
空気の入れ替えと温度上昇を分離し、収束するまで計算を繰り返す方法と、育苗箱が受けた太陽エネルギーの全量が内部エネルギー上昇に使われるとして計算する方法の2種類で計算を行いました。

結果は以下の通り。

計算方法計算結果1計算結果2
空気入替、温度上昇分離0.0021 min
内部エネルギー0.0016min0.34min

内部エネルギーから計算していった場合は、極端に短時間とある程度現実的な時間の解が得られました。空気入替、温度上昇分離で収束させていく方法では、極端に短時間の解だけが得られてしまったようです。二つの計算結果を見比べて、内部エネルギーから計算した0.34minを解として採用します。

育苗箱が27℃になった時、風量0.11m3/minで15℃の外気を給気して育苗箱内温度を25℃へ変化させるのに必要な時間tは、太陽光から受ける太陽熱による温度上昇分を考慮した場合、前回分の計算結果(0.067mi)と合わせて、

$$\begin{eqnarray}t \ &=& \ 0.067 \ + \ 0.34 \\
& & \\
&=& \ 0.41 \end{eqnarray}$$

えー、いやー、うーん、0.41min?
秒に直して25秒?
4秒よりはだいぶ現実に近づきましたが、それでもちょっと早いですね。
日中日が当たっている状態で給気ファンが稼働して27℃から25℃へ温度低下する時の実績時間は、約1分30秒です。秒に直すと90秒なので、4.5倍も違いますね。。。

うーん、怪しい。。。
怪しいですが、今回の計算結果からは、太陽熱の影響を考慮したとしても、風量0.11m3/minの5Vファンで十分な能力がある、という結果です。

どなたか詳しい方、間違いを指摘していただけるとありがたいです。。。

計算結果はこれですが、去年の実績では、3月あたりから日中の外気温が上がってくるため、5Vファンでは能力不足になります。大きめのファンを用意したので、次回はファンの増強と、復帰時間のスケッチを改良したので、そのあたりの話かな。

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しろすけ技術研究所
主任研究員

こんにちは。市民農園で野菜作りをしているしろすけです。極小規模の栽培管理システム開発をいつかやってみたいと思っていました。2024年から育苗ケース給排気温調や、水耕栽培管理システムの試作を電子工作で始めました。想像以上に検討することがあったので、記録を残すことにします。バイク(SR400)と耕運機(FV200)の整備記録もついでに記録に残しておきます。


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