一般的な春植えの野菜の苗はホームセンターで売ってはいますが、品種が自由に選べません。特に、いろいろな種類の知られているトマトについては、やってみたいと思う品種の苗がドンピシャで売っていることは無く、どうしても種からスタートになります。ただ、春植えの野菜の苗づくりは結構寒い時期、2月上旬くらいから始まります。普通に屋外に置いておくと寒くて成長が遅く、透明のプラケースを付けると日中熱くなりすぎる、という問題を抱えていました。

育苗箱のイメージ図はこんな感じ。黒いプラスチック製の育苗箱に、透明プラスチックのカバーをかけると、小さいハウスのような感じになります。中に種を撒いた土入りポットを入れます。2月でも風のない晴れた日は箱の中は35℃くらいまで簡単に上がります。

土日とか日中様子が直ぐに見られるときは、育苗ケース内の温度を確認してプラケースを外したり調整ができますが、平日はなかなかそうもいきません。そこで、育苗箱にプラケースを付けた育苗ケース内の温度を検知し、設定温度になったら換気する装置ができないかと考えました。

最初はマイコンを使った温度制御を考えていましたが、育苗箱の温調を作ろうと思ったのが2月の末で、そこから勉強していたのでは間に合わないので、市販の温調モジュールを使うことにしました。結構出来合いのモジュールって沢山あるんですね。探すと大抵のものが見つかります。

温度センサースイッチキット

Heat Activated Switch / KitroniK

サーモスタットを探して最初に見つけたのが、KitroniKさんのHeat Activated Switchです。設定温度まで上昇したらオンになるHot Activate Modeと設定温度まで降下したらオンになるCold Activate Modeが半固定抵抗とサーミスタを入れ替えるだけで切り替え可能です。必要な電子部品が全て揃っているし、受け入れる電圧も3~12Vという懐の広さもいいですね。価格も1セット350円という安さ、、、って、購入した秋月電子さんのサイトを今見返してみると、販売終了になっていますね(2024年11月現在)。。。3個買っておいてよかったです。

Kitronik Heat Activated Switch – Kitronik Ltd
この中のTeaching Notesがマニュアルです。

DCファン/YHD3010C05

YDH3010C05 / YCCFAN

温調モジュールに、排気用と給気用のファンを接続します。採用したのはDC5Vで動くPC用の直流ファンYDH3010C05です。組み上げた後気づきますが、育苗箱ベンチレータとして使うには、ファンの径が小さすぎて風量があまり出ないことと、高回転時、結構音が大きく、軒先に置いておくと高周波寄りの音が耳に付く、という問題がありました。ただ、透明プラケース上部に空いている直径3cmの通気口をそのまま使いたかったことと、9V電池で運用したいと思っていたので、サイズが小さく動作電圧も低いものを選んだ、という理由があります。

育苗箱ベンチレータ試作1号

まあ、なんというか、試作というか、温調キットを説明書通りに組み上げて電池とファンを繋いだだけなので何の工夫もありませんが、温度に応じてファンがオンオフする物を作ることができました。基板中央で丸いものが飛び出ているのがサーミスタです。温度に応じて抵抗値が変わる素子ですね。育苗箱プラケースの内側側面に設置を考えていたので、出来るだけ温度検出部が育苗箱中央に近づくよう、サーミスタをぎりぎりまで引き上げた位置ではんだ付けしました。設定の温度で出力がオンオフするよう、基板中央右側の半固定抵抗を調節します。

温調モジュールの出力に直接DCファンを接続するこの形は、DCファン1個を動かす分には問題ありませんが、並列で2個つなげることができません。温調モジュールの出力電流は最大0.5Aですが、DCファンの定格電流が0.36Aなので、2個つなぐと電流値が0.72Aとなって最大値をオーバーする為です。育苗ケースには給気と排気で2個ファンをつけたかったので、リレーを探すことにしました。

リレーモジュール

Relay Module /

同じデザイン、スペックで色々な代理店が販売しているので、メーカーがどこなのかいまいちわかりませんが、5Vのリレーモジュールで探すとすぐ出てくるものです。

機能的には全く問題ないですね。トリガー電圧を1.5V以下か3〜5Vで選べます。右側の四角い箱(接点リレー)と左側の端子の間にある黄色いジャンパピンがセレクタですね。左側につけるとHIGH、右側につけるとLOWです。入力は約4Vなので、HIGHを選択しています。

電源

基板の電源は、水耕栽培管理システムの電源としても使った5V4Wの太陽光パネルにしました。基板からの出力はキットのマニュアルに入力電圧-0.9Vとあるので、リレーモジュールへの信号入力は4V程度になっていると思います。一方、ファンの電源は、リレーを介した9V乾電池です。後で見返してみると、これはよくないですね。ファンは並列で繋いでいたので、各ファンには9Vかかっていたことになります。定格は5Vです。妙に音が大きいと思ったのはこのせいだったのかな。

育苗箱ベンチレータ試作2号

イメージ図は下のような感じ。冷気を下側から入れて、熱気を上から出す算段です。

各パーツを組み上げてみました。基板とリレーモジュール、電池ボックスは透明プラスチックプレートに透明テープで貼り付けてあります。このプレートを透明プラスチックケース側面に固定しました。ファンは右上(透明プラスチックケース側壁下側)に埋め込んだ方が給気側、左側(透明プラケースの天井部分)の通気口に埋め込んだ方が排気側です。

試運転をした時の様子は、下の動画のような感じ。ファンの動きしかないので音を出すとわかりやすいですね。育苗箱内が日光で温められて、半固定抵抗で設定した温度に到達すると、リレージュールがファンの電源をオンにするので、天井の排気ファンが回転し始めます。見切れていますが上側の側面の給気ファンも同時に稼働しています。育苗箱内の温度が設定値以下に下がると、ファンが停止します。基板の電源は右側地面に置いてある太陽光パネルから取っています。

試作2号機試運転

日光が当たっていない間は育苗箱内の温度も上昇しないので、電源を太陽光パネルから直接取るのは合理的ですね。太陽が当たっていないと給電しませんが、太陽が当たっていない間はファンが動く必要もないからです。ただ、この形だと太陽光パネルを育苗ケースのすぐそばに置かないといけない、という制限が付きます。太陽光パネルだけ何かの陰になってしまうと、即アウトという緊張感も付いてきます。やっぱりバッテリは欲しいですね。

長くなりそうなので、とりあえずここまで。次は6Vバッテリー運用とマイコン制御かな。

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しろすけ技術研究所
主任研究員

こんにちは。市民農園で野菜作りをしているしろすけです。極小規模の栽培管理システム開発をいつかやってみたいと思っていました。2024年から育苗ケース給排気温調や、水耕栽培管理システムの試作を電子工作で始めました。想像以上に検討することがあったので、記録を残すことにします。バイク(SR400)と耕運機(FV200)の整備記録もついでに記録に残しておきます。


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